若き薩摩の群像(2)
鹿児島サンタローザ友好協会
レーガン大統領が国会演説をしたほぼ同じ年に、サンタローザと鹿児島の両地で、長沢鼎の功績を称えるために、友好協会が起ちあがりました。鹿児島では長沢の研究をされていた鹿児島県立短期大学教授の門田明先生(故人)や後に肥薩オレンジ鉄道の社長をされた古木圭介氏を中心に、全くの市民団体として発足しました。
現在は鹿児島国際大学教授の森孝晴会長を中心にして、毎年、交互に学生交換交流が行われています。私も会員の一人として、2回ホームステイのホスト役を引き受けました。そのうちの一人は、大学を卒業してから再び ALT (外国人指導助手)として鹿児島に戻ってきましたし、彼の鹿児島滞在中に彼のご両親と弟も訪ねてくれました。また我が息子もサンタローザで快く迎えて頂きました。長沢鼎が導いてくれたこのような貴重な経験や交流に感謝するとともに、この交流が継続していけるように、微力ながらもお手伝いしていきたいと思います。
長沢はどのような人々と出会い、どのような人生を送ったのかは、門田明著「若き薩摩の群像」や渡辺正清著「評伝 長沢鼎」などを読んでもらえれば長沢を更に身近に感じて頂けるのではないでしょうか。また、鹿児島サンタローザ友好協会会長でもあり、日本ジャック・ロンドン協会会長でもある森孝晴先生は、「野性の呼び声」「白い牙」などで当時アメリカで人気のあった小説家ジャック・ロンドンにも会っていたのではないか?と推論しています。森先生の近著「ジャック・ロンドンと鹿児島-その相互の影響関係-」(高城書房)は薩摩武士黒木為禎、長沢鼎、そして椋鳩十のそれぞれとジャック・ロンドンとの関係を、少し専門的ではあるけれど、かなり興味を持てるように読みやすく書かれています。関心のある方には一読をお勧め致します。
幕末、明治維新の熱き時代に、薩摩の侍魂を持って、異国アメリカの地で堂々と生きた長沢鼎。私たちが明治維新を語るとき、西郷、大久保などとともにこの人物も語り継いでいく一人であるような気がします。
めーめーこやぎ