星の瞬き 9月
夜空は夏の星々が西の空に移り、秋の星座が主役になり瞬き始めています。
今回は、夏の名残に『矢座』を紹介したいと思います。
矢座は夏の大三角の内側にあり、わし座のアルタイルよりやや北よりにある小さな星座。
全天で3番目に小さい星座の上、特に明るい星も見当たらないのですが、横に長く、整ったその形は古来、ペルシア人、ヘブライ人、ローマ人、そしてギリシア人などに「矢」の形として認識されていたそうです。
『矢座』にまつわる神話はいくつかあり、英雄ヘラクレスが放った矢とするものもありますが、今回は愛の神エロスのもつ矢とする神話を紹介します。
愛の神エロスがいつも肌身離さず持っている金の矢。この矢は当たったが最後、たとえ相手が神であろうと、出会った者に必ず恋心を抱いてしまう、ある意味恐ろしい武器。
ある国の王に美しい3人の姉妹がいた。その中でも末娘プシュケの美しさは地上の言葉では言い表せないほど。その美貌に美の女神アフロディテさえも嫉妬してしまう。アフロディテは息子エロスにプシュケが不細工なものに恋をするよう仕向けることを命じる。エロスは自分の持つ『金の矢』でプシュケを射ろうとした瞬間、誤ってエロス自身をこの矢で傷つけてしまった。そして、愛の神エロスが人間のプシュケに熱烈な恋をしてしまうという失敗をしでかした。
この神話では、最終的にエロスはプシュケと結婚をします。めでたし、めでたし。。。(かな?)
エロスの『金の矢』
もし1度だけ使えるとしたら、あなたは誰の心を射止めますか?
うちむら