理科の先生 ②

前回のブログで、小学校のときの理科の先生について触れました。

今回は、中学の頃に出会った理科の先生との思い出を綴ってみたいと思います。

「時速30Km/hで進んでいる帆船のマストの上からリンゴを落とします。
リンゴはどこに落ちるかな? a.マストの前方? b.マストの真下? c.マストより後方?
ここでは空気抵抗などは考えずにします。さぁ、どう思う?」

これは、中学3年生が運動とエネルギーの分野で学習する『慣性』という性質に
ついての問題です。

私が中学3年生のとき、授業中に先生がこの問題を出題して、10分ほどいろいろな
意見や考えを出し合い、「b.マストの真下に落ちる」の答えであることを確認してその
授業が終わりました。

私は「c.マストより後方」だと考えていました。友達の中でも「b.マストの真下」で納得できた人と
「c.マストより後方」が正解のはずだ。納得できない!と考える人がいました。私も納得ができま
せんでした。

次の授業の前に、私を含めた数人でこの理科の先生を廊下で捕まえ、お互いの稚拙な理論を述べ、
自分たちの考えが正しいことを先生に聞いてもらいました。
おそらく授業と授業の合間の10分の休み時間を全部潰してしまったと思います。

それなのに、先生は何も言わず、ただニコニコしながら私たちの話を聞いていてくれました。

そのときの結論がどうなったのか今はもう覚えていません。

記憶に残っているのは、その時の先生の楽しそうな顔だけです。

「こうなるはずですよねっ!ねぇ、先生!」と説明しても、「なるほど、そう思うかい?」
と返してくるだけでした。

でも、私たちの話を聞きながら、とても、とても楽しそうな顔をしていました。

 

塾で『慣性』を説明するとき、最初にこの船とリンゴの問題を子どもたちに出しています。
ひとり一人がいろいろなことを考え、結論を出す。それが正誤どちらであっても、考える力が
ついていると思います。

正解を聞いたときの子どもたちの納得できない顔、難しそうな顔、納得できたという顔。

今なら、中学3年生のときの理科の先生の気持ちが分かります。

 

(内村)

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