星の瞬き 3月
『春分点』という言葉を聞いたことがありますか?
地球の赤道面の延長「天の赤道」と地球からみた太陽の公転軌道「黄道」の交わる点が二か所あります。
それが 『春分点』 『秋分点』 です。
紀元前2世紀ごろ黄道十二宮が整備されたときは「おひつじ座」に春分点があったらしいのですが、現在は「うお座」の南のほうの尾の近くに『春分点』があるそうです。
今回は、春分点がある「うお座」の神話を紹介したいと思います。
うお座は2匹の魚が紐で結ばれた姿をしています。ギリシア神話では、この2匹の魚は美と愛の女神アフロディテとその子エロスの母子とされています。
あるとき、アフロディテとエロスがユーフラテス川の岸辺を歩いていると、突然、怪物テュポンが現れて襲いかかってきた。驚いた2人は大慌てで魚に変身して川に飛び込み逃げようとした。そのとき、母子が離れ離れにならないようにお互いをリボンで繋いでいた。
その姿が天に上げられ星座になったという。
(この神話にもいくつかのバージョンがあり、アフロディテとエロスが参加していた神々の酒宴に、テュポンが現れるというお話もあります。)
うお座は、母子の絆を表している姿なんですね。
今の時期、桜の花びらが舞う中で、手をつないで歩くお母さんと子どもがいたら、それは、うお座の2人が、夜空から降りてきて・・・それはないですね。
内村