星の瞬き 10月
星座にまつわる神話の多くは神々と人間が登場するお話です。
人間が美しさを誇張したり吹聴したりすることで神の怒りを買うお話も多いです。
秋の星座「アンドロメダ座」の神話もその一つです。
エチオピアの王ケフェウスと王妃カシオペアには、美しい王女アンドロメダがいた。
カシオペアにとって、王女が何よりも自慢だった。
ある日、カシオペアは「わが娘アンドロメダは、海のニンフ(精霊)である50人のネーレイデスより美しい」と高言してしまう。
これを聞いて怒ったのが、ネーレイデスの父である海の神ネーレウス。彼は大海原を司る神ポセイドンの力を借りて、エチオピアに災いがもたらされることを願った。
それ以来、洪水や津波がエチオピアを襲い、海岸には怪獣が出没するようになって、人々は大いに苦しむこととなった。
慌てたケフェウスは、災いを鎮めるため神託を求める。神の答えは、「アンドロメダを化け鯨ティアマトの生け贄にせよ」というものだった。
王は国を守るため仕方なく、王女を海岸の岩に鎖でつなぎティアマトに差し出した。
そのとき、鎖につながれたアンドロメダの上空を、メドゥーサを退治して帰途についていた英雄ペルセウスが通りかかった。
天馬ペガススに乗ったペルセウスは、今にもアンドロメダに襲いかかろうとしていたティアマトの目の前にメドゥーサの首を突きつけた。
見た者すべてを石にするというメドゥーサの力は死してなお絶大で、化け鯨はたちまち海岸の石と化した。
その後、海の神々の怒りはペルセウスの父ゼウスがなだめることで鎮まり、ペルセウスはアンドロメダを妻として故郷に連れ帰った。
いつの時代も、世界どこでも、「口は災いの元」ですね
内村