ノーサイド NO SIDE
今、ラグビーが熱い!イングランドで行われているラグビーワールドカップで、日本チームが優勝候補の南アフリカ共和国を破り、大番狂わせを演じた。更にその試合っぷりがラグビーの魅力を格段に引き出したようだった。引き分けのペナルティーキックではなく、逆転のトライをを狙ったその勇気ある判断が、日本に限らず世界のラグビーファンを熱狂させ、魅了した。あの鍛え上げられた体と体が激しくぶつかり合うタックルとスクラム、倒されても倒されてもボールを繋いでいくパスワークに見られる強靭な精神、そして時には相手陣をするすると駆け抜けて行く躍動感とその爽快さは、ラグビーに不慣れな私たちの多くをどんなにか虜にしたことだろう。
しかし国と国が戦うワールドカップの代表選手に、外国人選手が多いことに違和感を持った人もいるかもしれない。だが、スポーツとは本来、平和な社会でこそ成り立つ娯楽であることを考えれば、ラグビーの持つ選手枠の寛容さに拍手を送るべきだろう。イギリス生まれで、どのスポーツよりも国の枠を自由にしたワールドワイドなラグビーは、イギリスの騎士(ナイト)の持つ、威風堂々とした清々しさを感じさせてくれる。今風に言えば実に`クール`だ。そしてそのクールさを一言で表した言葉が、試合終了を表す「ノーサイド NOSIDE」ではないか。試合終了後、あんなにも激しく格闘した選手達が敵味方関係なく入り混じって健闘を讃え合っている。戦いの後は、あちら側こちら側のどちらのサイドでもない。ノーサイドなのだ。その哲学が精一杯戦い終えた戦士たちの表情に清々しさを与えているような気がした。
メーメー仔ヤギ