不思議な1冊でした。
新年度が始まりました。新入生や新社会人はもちろん,それ以外の人でも心新たに力が湧いてくる,そんな季節です。
今日は先日読んだ本が面白かったのでご紹介します。
川村元気著『億男』(おくおとこ)です。タイトルの通り,ある日突然億単位のお金を手に入れた男の話です。「宝くじで◯億円当たったら…」と誰でも一度は考えたことがあるでしょう。あれもしたい,これもしたい,と妄想するだけでも何と楽しいことか。しかし,本当に当たってしまったら。しかも3億円。男には弟が残していった借金がありました。だから手に入ったお金でそれを返済し,離れ離れになった自分の家族とやり直す,と最初は決めていたのです。しかし,それでも多すぎるお金を前に男は悩み始めます。そして悩んだ末に,既に会社経営で成功し,億万長者になった学生時代の友達に相談しに行く,というお話です。
「お金と幸せの答えとは」
物語に出てくる登場人物たちが,彼らなりの答えを語ってくれます。読後,私が今まで抱いていたお金のイメージが少し変わったような気がしました。と同時に,少し怖くなったような。そして不思議と自分の日常が温かく感じました。
本書は2015年の本屋大賞にノミネートされている作品です。機会があれば読んでみてください。
福元