いろいろなエネルギー
ある物体が,ほかの物体に対して仕事ができる状態にあるとき,その物体は
「エネルギーをもっている」という。
高い位置にある物体がもつエネルギーを位置エネルギーといい,物体の位置が高いほど大きく,物体の質量が大きいほど大きい。
運動している物体がもつエネルギーを運動エネルギーといい,物体の速さが大きいほど大きく,物体の質量が大きいほど大きい。

位置エネルギーと運動エネルギーの和を力学的エネルギーという。
摩擦や空気抵抗がないとき,位置エネルギーと運動エネルギーは互いに移り変わっても,力学的エネルギーは常に一定になる。このことを力学的エネルギーの保存という。

仕事の原理
物体に力を加えて力の向きに物体を動かしたとき,力が物体に対して仕事をしたという。単位はジュール(J)
どれだけ大きな力を加えても,動かなければ仕事をしたとはいえない。
仕事[J] = 加えた力の大きさ[N] × 力の向きに移動した距離[m]
物体を持ち上げるときは,物体にはたらく重力に逆らって仕事をしている。
水平な床の上で物体を動かすときは,物体にはたらく摩擦力に逆らって仕事をしている。
定滑車では,力の大きさも動かす距離も変わらない。
動滑車では,力の大きさは2分の1になるが,動かす距離は2倍になる。

摩擦や道具の重さを考えない場合,道具を利用して仕事をしても全体の仕事の大きさは変わらない。
このことを仕事の原理という。
仕事率
1秒当たりの仕事の大きさを仕事率という。単位はワット(W)を使う。
$$仕事率[W] = \frac{仕事[J]}{仕事にかかった時間[s]}$$
同じ仕事をしたとき,仕事率が大きいほど能率がよい仕事であるといえる。